IPH工法(IPHシステム)内圧充填接合補強工法とは

IPH工法は、これまでの樹脂注入工法にける効果の不安定さ、樹脂注入範囲・深度のばらつきの主要因となっていた、躯体内空隙・割裂のエアーを、エアー抜き機構を有した専用カプセル「IPHカプセル」にて、注入用樹脂「E-396H」に置換し充填することにより、安定的広範囲・高深度への樹脂注入を実現し、従来樹脂注入工法では不可能であったコンクリート構造物の強度回復、鉄筋とコンクリートの接合力回復、鉄筋防錆、断面修復接合、剥落対策、止水、アルカリ骨材反応抑制、中性化抑制等の効果を提供可能とした、画期的な工法です。

IPH工法樹脂充填模式図

従来工法樹脂注入模式図

IPH工法と他樹脂注入工法の比較実験写真

樹脂硬化体比較実験

ガラス積層比較実験

IPH工法の特徴と構成

①穿孔1
低振動、低粉塵、低騒音を実現した水循環式ドリル「IPHミストダイヤ」にて注入ポイントを
穿孔することにより、注入した樹脂は躯体内部より穿孔内表面積すべてが樹脂拡散点とな
り、表層から樹脂注入していた従来工法とは比較にならない広範囲樹脂拡散が可能となり
ました。又、水流とフィルターにより穿孔内の粉塵滞留をなくし、微細クラックへの樹脂注
入を可能にしました。
②穿孔2
穿孔した孔内に樹脂が充填硬化することにより、損傷、空隙、割裂のないコンクリートに対
しても増強効果が期待可能です。
③エアー抜き
特許取得の「IPHカプセル」によるエアー抜き機能により、ジャンカ・クラック・浮内部の空気と注入用樹脂「396H」を置換充填することにより、従来不可能であった否貫通のクラック及び空隙、巾0.01㎜までの微細クラックへの樹脂充填が可能となりました。
※一般的な樹脂注入対象クラック巾は国土交通省にて0.2~1㎜以下と定められています。
④加圧力の低圧安定性
従来工法におけるスチール製スプリングコイル、手動加圧、ゴム加圧と異なり、ステンレス製スプリングコイル採用により、気温に左右されずらい、繰り返し使用可能なスプリング加圧よる、加圧力0.02~0.06±0.01/㎟の精密な超低圧加圧コントロールが可能となりました。
※一般的な低圧注入は国土交通省にて0.4N/㎟以下と定められています。
⑤注入用樹脂の高流動化と無収縮化、安全性
IPH工法に使用されるエポキシ樹脂「E-396H」は、550CPS±220の超低粘度を実現し、細密クラック(0.01㎜)への樹脂注入の実現に効果を発揮します。樹脂は無溶剤で限りなく無収縮であり、国土交通省が定めた樹脂注入クラック巾上限1㎜以上のクラック、ジャンカ、空隙への充填と接合補強を可能としています。又厚生労働省が定めたJWWA規格の浸出試験をクリヤーしており、人体に対しての安全性も確保しています。
※一般的な低圧の定義は国土交通省にて1000CPS以下と定められています。
⑥加圧硬化
IPH工法は、クラックのシール材「ピックアップシール」、コンクリート表層及び断面の補修材「IPH#300」「IPH#600」にて注入対象を密閉し、加圧硬化させることにより、注入樹脂の逆流、出戻りを防ぎ、コンクリート内部への均一で高深度高細密な拡散充填硬化を可能としています。

IPH工法と従来工法の違い

加圧による樹脂押し込み方式の従来工法に対し、IPH工法は加圧環境状態で空隙内空気と注入樹脂を置換し密実充填を実現させた画期的な工法です。あわせて湿気硬化無溶剤無収縮低粘度エポキシ樹脂の採用により、湿潤環境での作業と強度回復が可能になりました。

IPH工法基本工程(例)

①着手前

②VDRサンダーにてサンディングのちIPH#600塗付

③ミストダイヤにて穿孔

④ピックアップシールにて台座接着

⑤IPHカプセルにて396H(無溶剤無収縮低粘度硬質エポキシ樹脂)充填

⑥台座・カプセル撤去

⑦セラブレンド塗布にて完工

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IPH工法カタログ(PDF)